過敏性腸症候群(IBS)とは

消化器系の疾患がないにもかかわらず、便秘や下痢、腹痛といった不快な症状が慢性的に繰り返される病気です。精神的ストレスに関係して起こりやすくストレス社会といわれている現代では10人に一人がIBSともいわれています。

ストレスを自分の中にため込んでしまう責任感の強いまじめな人、気が弱い人、気にしやすい人などがかかりやすく、ほかにも過労、食生活なども関係しているといわれています。

 

過敏性腸症候群のタイプ

 便秘型‥腸管の過緊張により繰り返し便秘になります。便が出にくかったりででも水分のないころころとした便が出ます。便秘のため腹痛や腹部膨満感に悩む方も多いです。

 

 下痢型‥慢性下痢で急に便意をもよおし水のような便が一日に何度も起こります。症状は急に起こるため外に出ることが不安になりそれがストレスで悪循環に陥りやすいことも多いです。

 

 交代型‥便秘と下痢を繰り返す、混合のタイプ

 

 ガス型‥おならが頻繁に起こる、常におなかが張って苦しい、腹部膨満感があるタイプの方はガス型と呼ばれます。常におならが出てしまうかもと思って人と会うのが不安になったり緊張により空気を飲み込んでしまうことも悪循環につながりやすいです。

 

 

過敏性腸症候群の治療と鍼灸

 どのタイプの方もまずは自律神経を整えることです。過敏性腸症候群の方は体を緊張させる交感神経が優位の方が多いといわれています。

自律神経を安定させるために、毎日同じリズムで生活をしたり、食生活の改善をしていきましょう。

 近年、高FOD食という大腸で発酵されやすいものを避けるという食事療法もIBSに有効ともいわれています。人によって合う食べ物、合わない食べ物などありますので参考にするのもよいでしょう。例えばですが健康のために毎日飲んでいた牛乳が体質に合わなかったということも多々あります。

ガス型のタイプの方は呑気症と言って空気を飲み込んでしまうことが原因の方もおおいので、鼻炎で口呼吸が多い人、ガムをよく食べる人、麺類が好きですすって食べることが多い人などは習慣を見直すと改善することがあります

 

鍼灸治療では自律神経を安定させストレスを軽減することで改善を目指します。そして胃腸を整えるツボに鍼とお灸をします。食いしばりのある方、鼻炎で口呼吸が多い方は呑気症になりやすいのでそちらも併せて改善していきましょう。また、自宅での台座灸の施灸も効果的です。鍼灸治療後は体をリラックスさせる副交感神経が優位になりますので習慣的に続けるのがおすすめです。